どうしてブラジル人は日本語を勉強するの?

こんにちは、カカドです。
今日はブラジルでの日本語教育について。日本語の初回授業で必ず「どうして日本語を勉強したいのか」を質問するのですが、それについて書いていこうと思います。

[理由1]ずっとアニメを見てきて、いつか勉強したいと思っていたから。

この回答は結構な確率で得られます。私たちが小さい頃からアメリカの映画を見てきているのと同じように、ブラジルでは1980年頃から日本のアニメがテレビで流れていたようです。もちろん、日本語の生徒ではテレビで流れていたアニメ以上に自分でも好きな漫画やアニメを探している人がたくさん。

日本語の生徒以外でも、50代あたりの人は『巨獣特捜ジャスピオン』、30~40代くらいだと『ドラゴンボール』、20~30代くらいで『NARUTO』、10代だと『鬼滅の刃』という感じで、世代毎に差はあれど何かしらのアニメを見ていた人が大多数、のような気がします。「ジャスピオンって何のことだろう。」「ドラゴンボールってカメハメハのやつだよね。」くらいの知識の私は、ニコニコ話を合わせるしかないのですが、ブラジル人の口からよく出てくる言葉です。「いつか勉強したいと思っていた」の「いつか」というのがポイントで、日本語は確かに日常で使ったり昇進に必要な言葉でもなんでもないけど、昔からなんとなく日本語をちゃんと知りたいなぁ、と思ってくれている人がたくさんいるようです。

[理由2]ジャニーズが好きで、いつかちゃんと勉強したいと思っていたから。

少しマイナーな答えになりますが、20代後半の私世代の人から出てくる回答。私にとってのジャニーズは「Mステで見るグループ」くらいの認識だったので、知識は浅いですが、わかるグループとしては嵐や関ジャニ、KAT-TUN、ギリギリ キスマイあたり。そして、この生徒たちも同じ世代なので、この辺りのグループが好きで、日本語に興味を持ってくれたみたいです。面白いのが、彼女たちは今のジャニーズには興味がないとのこと。もちろん年齢もあると思いますが、確かに一昔前のジャニーズの方がジャニーズ感があって私も好きだったかなと思います。

[理由3]日系人だから。

これはブラジル人ならではの回答なんじゃないかなと思います。ブラジルには日本のルーツを持った日系人が200万人いて、日系人口としては世界一なんです。この日系人口の中には他のルーツのミックスの人もたくさんいるので、全員「私は日系人ですわ!」となんか意識しているような感じでもないのですが、中にはブラジルで生まれたにも関わらず、お父さんお母さんに日本語で育てられる、なんていう家庭もあります。でも、聞いて話すことはできても、文法の細かいところが分からなかったり、今日本で話されている言葉が分からなかったりと、そのギャップを解消したいという人もいるんです。そう言った理由で、日本語の授業を受けてくれます。

ブラジル人の日本語を勉強する理由、こんな感じ。もちろん、日本で働くことを目的に勉強する人もたくさんいますが、私がビジネス用の日本語を今のところ教えていないこともあり、私の生徒にはそのような人はいません。引き続き、日本語教育がんばります。

おしまい。

おまけ


日本語の授業で使う教科書「いろどり」。試験などには向いていませんが、会話がたくさんあり、またオンラインで手に入るのでおすすめです。