ブラジルに電車内に人を押し込むだけの係員はいらない

こんにちは、カカドです。
今日はブラジルでの助け合いについて書こうと思います。

日本語の授業中、教科書の例に「混み合った電車内で人の足を踏んだ時はなんと言うか」という質問があり、そんな時は「すみません」と言うんですよ〜と教えていました。そんなところから「日本ではラッシュアワーに電車内に人を押し込む専用の係員がいる」と言う話に。日本のラッシュアワーの電車の様子は有名なので、動画で見たことがあるよ〜と生徒は答えてくれました。

その生徒はサンパウロという南米で一番大きい都市に住んでいるので、「サンパウロのラッシュアワーはどんな感じなの?」とついでに聞くと、「電車はかなり混むけど、係員はいらないよ。お客さんが自発的にめっちゃ押し込むから」と笑いながら教えてくれました。ただ、押し込むのは良いけど怪我人が出ることも度々で、けっこう危ないとのことでした。

この話を聞いて、ブラジルらしさをびんびんに感じたので、書いてみようと思います。

ブラジルは誰が係員かそうじゃないか、など関係なしに、何か問題があれば自ら解決しようとする人が結構いると思います。でもそれが’美学’というわけでもなさそうで、自分と関係ないと思ったらそこから離れるし、助けたかったら助けるし、とあくまでも自分の意思に基づいているような感じです。

例えば、近所のスーパーの駐車場でかなり狭いところに駐車をしようとしていました。ミラーが隣の車スレスレで、擦るんじゃないかとヒヤヒヤしていたところ、外から知らない男の人がやってきて「一旦右に回してバックしてみて」と一言。その通りに運転をし直してみると、上手いことその場を切り抜けることができ、一安心。お礼を伝えると男の人は当たり前だよ、という感じで去っていきました。

これ、なかなか勇気がいると思いませんか?「自分が言ったことで車を擦ったらどうしよう。保険おりるのかなぁ」とか「お節介と思われて嫌な顔をされないかなぁ」とか。人の車の運転、という自分ではコントロールできない部分に助け舟を出すのは結構な勇気がいるんじゃないかなと思いました。でも、ブラジルではこういうことが当たり前なのです。

それ以外にも、「サンパウロに遊びに行くよ!」と言えば「うちの家に泊まってよ!」と結構な確率で言われたり、私が何か翻訳の仕事がないかなぁと探していたら気軽に人に聞いてくれたり。とても優しくて、日本だとお節介と思われてしまうほどお世話してくれる人がたくさんいるなぁと思います。

イタリアに旅行に行った時も似たような空気を感じました。文化的なルーツはどこかわかりませんが、イタリアなどそこの文化も影響しているかもしれませんね。

おしまい。

おまけ


これは一番新しい路線の駅。ホームに落ちない工夫があります。